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SBN154_西のカエルが東のカエルを救う!?

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154 外来生物は生態系を破壊すると危惧されていますが、今回、地域古来の生き物が外来生物によって助けられている可能性があるという発表がありました。

東京には、東日本在来のアズマヒキガエルと、人の手によって西日本から移入したと言われる外来性のニホンヒキガエルが生息しています。これらのカエルは生態的地位(ニッチ)が近いことから、個体群の生態に影響が起こることが予想されます。2種類のカエルは鼓膜の大きさにより見分けることができますが、東京ではアズマヒキガエルの形態がニホンヒキガエルに近くなっていることが知られていました。東京大学の嶋田教授らがDNAで近縁性を調べると、予想通り、アズマヒキガエルにはニホンヒキガエルの遺伝子が混ざっていることがわかりました。これはアズマヒキガエルとニホンヒキガエルの交雑が起こり、生態系への影響が出ていることを示しています。しかし、驚いたことに、このニホンヒキガエルの移入による交雑は、アズマヒキガエルにとって必ずしも不幸ではなかったようです。実験室で、孵化からの生存率を調べてみると、これらのカエルのオタマジャクシは、普通のアズマヒキガエルのオタマジャクシよりも高い生存率を示したのです。これはニホンヒキガエルの助けを借り、より環境に適応した進化を遂げたことを示唆しています。

参考:http://scienceportal.jp/news/daily/1305/1305101.html

※上記参考URLがリンク切れのため下記URLをご参考下さい。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_250509_02_j.html

※最後の一文は一部誤解を招く表現でしたので、削除致しました。

記者コメント:独特の風貌と動き方をするカエルは、世界でも生物の多様性の指標とされている生物です。環境に応じて生き残る術に長けているのかもしれませんね。(戸金)

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吉田 拓実/Takumi Yoshida 教育開発事業部 部長 東京大学農学生命科学研究科応用生命化学専攻博士課程修了 農学(博士) 専門は植物の環境ストレス応答遺伝子の研究 実験教室、スクール運営、企業の教育CSRなどを担当 現在は、社会全体で盛り上げていく科学教育の形を研究中