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【サイエンス教室日誌】D-01 タンポポの侵略戦争を調査せよ!

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こんにちは バイオディスカバリーラボ、ドクターコースの上野です。

4月から新学期が始まりました!気持ちあらたに、ドクターコースには昨年度のマスターコースの卒業生たちが進級してきました。第1回目のテーマは、

「タンポポの侵略戦争(しんりゃくせんそう)を調査せよ!」

です。これから、約2ヶ月かけて、飯田橋駅周辺のタンポポの生態調査を行っていきます。

今、日本のタンポポが危ないって知っていますか?関東地方には、「カントウンポポ」という名前の、日本固有種のタンポポがいるんです。しかし、1900年ごろから「セイヨウタンポポ」が北海道から入ってきたことで、たったの100年で日本中に広がっていきました。その結果、日本の「固有種」であったカントウタンポポの数が一気に減ってしまったと言われているのです。

では、本当にカントウタンポポはセイヨウタンポポに侵略されているのか?!「一気に減ってしまったと言われています」・・・って、本当に??どのくらい減ってるの?? ディスカバリーラボの研究者たちは、まずは自分たちで調べるべく、立ち上がりました! そしてそのままラボの外に出かけました。

 

ここで、カントウタンポポセイヨウタンポポのみわけかたを紹介!

セイヨウタンポポ

 

セイヨウタンポポ
 カントウタンポポカントウタンポポ

ちがい、わかりました?カントウタンポポのほうが、葉の切れ込みが深いですね。また、くきが赤いのも特徴です。さらに、1本の花だけで咲いていますね。それに対してセイヨウタンポポは群れになって咲いています。

そして、一番見分けやすい特徴がこちら

ガクの違い

総苞外片(そうほうがいへん)と呼ばれる、花のガク部分がカントウタンポポは上を向いていますが、サイヨウタンポポは下を向いています。

 

さて、ラボを飛び出して飯田橋駅周辺のタンポポをみてきました

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葉っぱの深い切れ込みがカントウタンポポっぽい!?

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これは葉っぱの形はカントウタンポポっぽいけど、総苞外片(そうほうがいへん)がセイヨウタンポポっぽい・・・

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お!これは、くきも赤いし、1本で咲いている!総苞外片(そうほうがいへん)もカントウタンポポっぽい。でも葉っぱの形が違うかな・・・?

 

さて、今日は10個のタンポポサンプルを集めてきました。

でも、外に出てみて気付いたこと。「見た目じゃわかんない!!!」

そうなのです。見ただけじゃわからない。。。

そこで次からはとっておきの方法

「DNA鑑定」

をして、カントウタンポポかセイヨウタンポポかを見分けることに挑戦します!

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上野 裕子 / Yuko Ueno 博士(理学) グループ開発事業本部部長 在学中は米国留学経験を通じて生命の起源の探求を行う。2013年株式会社リバネス入社。人材開発事業部にて、日本の若手研究者のための米国研修を開発。同事業部の部長を経て、創業開発事業部に所属、冊子『創業応援』の編集長を経て多くのベンチャー経営者との対話を行い、2018年よりリバネスアメリカ代表に就任。 日本のディープテックスタートアップの東南アジア進出や、東南アジアのスタートアップの日本進出支援の経験を経て、2021年10月より、グループ開発事業本部 部長就任。同年11月にはLeave a Nest Malaysia Sdn. Bhd.取締役に就任。リバネスグループの最大化のため、東南アジアと日本を融合する知識プラットフォームの確立を目指す。