【サイエンス教室日誌】D-02 飯田橋のタンポポ勢力図、完成!?
こんにちは!バイオディスカバリーラボ ドクターコースのゆうこりん先生です!(そろそろ定着したかしら)
先月から全4回で研究してきた『タンポポの侵略戦争を調査せよ!』も、いよいよ今回で最後です。
今、日本のタンポポはセイヨウタンポポに侵略されているとか?!はたして、それは本当なのか調べるべく、飯田橋駅周辺のタンポポを探しに飛び出しました。しかし、調査してみると、セイヨウタンポポなのか、カントウタンポポなのか、、、見た目では判断できませんでした。そこで、DNAをつかってどっちのタンポポなのか調査を行ってきました。最終回の今回、いよいよその結果がわかります。
子どもたちの研究ノート
前回は、セイヨウタンポポとカントウタンポポの違いがあるDNAの一部分の配列を『PCR(ポリメラーゼ連鎖反応』という実験技術をつかって大量に増やしました。(過去のレポートはこちら)
今回は、その増えたタンポポDNAを『制限酵素』をつかって切断していきます。なぜ、制限酵素を使うとセイヨウタンポポとカントウタンポポを見分けることができるのでしょうか?
それは制限酵素は「ある決まった配列のDNAしか切らない」という性質をもつから。今回は、セイヨウタンポポなら切れるけど、カントウタンポポだと切れない制限酵素をつかいました。
そして、制限酵素でDNAを切っても、目で見て確認することはできません。そこで登場するのが『DNAのアガロースゲル電気泳動』です。
その結果がこちら!!
ご覧ください!!なんと、全部『雑種』でした!!
結果を解析する子どもたち
そこで、大事な結果をまとめるために、『飯田橋のタンポポ勢力図』を作成しました。
最後に、この結果をみて子どもたちが、自分の考察を発表してもらいました。
『セイヨウタンポポに侵略されているといっても、サイヨウタンポポだけになっているのではなく、ちゃんとカントウタンポポの要素も残した雑種がいっぱいいることがわかった』
『まださがしていないところもあるから、飯田橋にも探せばカントウタンポポはいるかもしれないと思う』
『侵略っていうけど、意外とカントウタンポポも(純粋な)セイヨウタンポポもいないことがわかった』
研究者として、とても鋭い考察です。もっともっと調べていきたいことが増えましたね
次回からは、『植物で太陽電池がつくれるか?!』です。自分だけのもっとも効率のいい太陽電池のつくりかたを研究します。