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2018.04.13 バイオディスカバリーラボ学会等での発表記録

3/18(日)バイオディスカバリーラボ卒業研究発表会を実施しました

バイオディスカバリーラボでは、1年間の成果を発表する卒業研究発表会を3/18(日)に実施しました。各コースの研究発表内容は以下の通りです。

マスターコース研究発表

グループ発表「DNA鑑定にちょうせん!シロイヌナズナに個体差はあるの?」

個人発表「DNAを使ってこんな研究をしてみたい!」

マスターコースの卒業を前に彼らに課されたミッションは、「DNA鑑定捜査官となって、シロイヌナズナの個体差を見つけ出せ!」です。1年間で身に付けた研究のちからを使って、生き物の設計図「DNA」に書かれた情報をもとに観察だけではわからないシロイヌナズナという植物にも個体差があることを確かめました。その実験の結果を全員で協力して、ポスターにまとめて発表しました。マスターコースのメンバーにとっては、はじめての発表会でしたが、グループでの発表も協力して行えました。また、一人一人がDNAを使ってどのような研究をやってみたいかオリジナルの研究アイデアを考えて発表しました。

ドクターコース研究発表

「ミジンコとオオカナダモがいっしょにくらすための光環境の研究」

・ミジンコ班のぎもん:ミジンコには何色が見えているんだろう?

・水草班のぎもん:水草がよく育つ光の条件はどんなだろう?

ドクターコースでは10月から5ヵ月かけてオリジナルテーマの研究を進めました。まずは興味のあることについてみんなでアイデアを出し合い、研究テーマを決定。ミジンコとオオカナダモをそれぞれ研究対象として、どのような光条件下で元気に成長するのかを研究しました。ミジンコ班は水に当てる光の色や強さを変えると、ミジンコの反応に変化があることを発見しました。オオカナダモ班は、いろんな色の光を当てて3種類の水草それぞれの生育の様子を比較し、試した条件のなかではアナカリスが光条件にこだわらずに一番よく育つことがわかりました。

リサーチャーコース研究発表

  1. 「生分解性プラスチックを分解能を新規好冷菌に関する研究」

現在、海に漂流するプラスチックゴミが問題になっています。海の中で分解しきれずにされずに残ったプラスチックを魚などが間違って食べてしまうのです。そこでそのプラスチックゴミを海の中で分解する方法として微生物に注目しました。アジやサンマ、イワシなどの魚の胃や腸にいる微生物の中から、①冷たい条件で育つ(好冷菌)、②生分解性プラスチックを分解することができる菌を探索しました。その結果、いずれの魚からも好冷菌を単離することができました。今後さらに研究を続けて、生分解性プラスチックを分解する性質を保つ菌を見つけ出すことができるかもしれません。

  1.  「小学生による試験中のマインドワンダリングの生起とその制御方法についての研究」

試験の最中に突然見たことのない問題が出てきた時、一瞬頭が真っ白になってしまった経験はありませんか?そのようなテスト中に集中できなくなるのはなぜか、それを防ぐ方法を見つけ出そうと一年間研究を行ってきました。試験や調査の結果、単調な作業を続けていくと、ふと別のことを考えてしまい作業が止まったてしまうマインドワンダリングという現象が試験時の集中と関係しているのではないかということがわかってきました。そして、12名の実験協力者から得られた実験結果から、計算問題を解くときに、可愛いなど感情を呼び起こしやすい写真を見ると、その後マインドワンダリングの回数が減る可能性が示されました。また、アンケートの結果から、テストに不安な気持ちを保つ人に比べて、楽観的な人の方がマインドワンダリングをしやすいという可能性も示すことができました。

  1. 「同じ種である高度好熱菌AK-2とTTのちがいを発見する」

2013年、これまで「わくはずのない温泉」と言われていた有馬温泉が、600万年前の海水が元になっていることが分かりました。そこで、私たちは有馬温泉にすむ好熱菌を研究することで、600万年前の生命の姿に迫ろうとディスカバリーラボでは数年に渡って研究を続けてきました。2016年までの研究結果では、有馬温泉の水から、AK-1、AK-2、AK-3の3種好熱菌の単離に成功し、16sRNAのシークエンスの結果、すべてサーマスサーモフィラス(TT)という菌であることを明らかにしました。ですがこのTTとAK-2遺伝的には同じにも関わらず、有馬温泉に近いの環境で育てて見ると生育の仕方に違いがある可能性があることを発見した。そこで、この2つの微生物の違いを明らかにする研究を一年間続けてきました。有馬温泉の3大特徴である、高い温度、高い塩濃度と鉄濃度遠いう環境で生育させて見た結果、AK2の方が高い塩・鉄濃度という有馬温泉の環境でも生育できる特別な微生物であることを発見しました。

生徒たちはそれぞれの研究成果を活き活きと発表しました。質疑応答では、研究に関してたくさんの質問や研究のアドバイスについて多くの方からコメントをいただき、生徒たちが一生懸命応える姿が印象的でした。

研究発表の後は、一年間頑張った生徒一人一人に修了証書の授与と、各コースの担当スタッフからのメッセージカードが渡されました。

バイオディスカバリーラボを卒業する生徒、一つ上のコースへ進級する生徒など4月からの進路は様々ですが、皆がこの一年で一緒に取り組んできた身の回りの不思議を発見し、謎を解き明かす研究者としての心をいろんな場面で活かしてもらいたいです。

【バイオディスカバリーラボ】

バイオディスカバリーラボでは、「未知なる問いに挑み続ける」をコンセプトに、マスターコース、ドクターコース、リサーチャーコースの3つのコースを開催しております。各コースでは、身の周りから不思議を発見し、仮説を立て、実験し、結果から考察するという研究のサイクルを回すことを受講者と共に体験していきます。マスターコースでは見学及び体験入学を通年受け付けております。ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

お問合せ:TEL 03-5227-4198(担当:中嶋、河嶋、井上 [email protected]

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