プレジデントFamily2022年[夏]号連動 スラスラできる自由研究おもしろ研究ネタ集20

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プレジデントFamily2022年[夏]号で、NEST LAB.の卒業生が紹介されるとどうじに、夏休みのおもしろ研究ネタ集20をご紹介しました。本ページでは、具体的にどのような流れで研究をすれば良いのか、5つのテーマに分けて、簡単な研究の流れを紹介します。ぜひ、こちらの研究の流れの参考にして、夏休みに家族で楽しく新しい発見・発明を楽しみましょう。

バイオ

ペットを飼っている子に
猫の最高の爪研ぎ道具を開発せよ

[テーマ]
現在様々な猫の爪研ぎが市販されていますが、どれが自分の猫に最適なのか判断ができません。そこで、既存の爪研ぎの装置を比較するだけでなく、自分で仮説をたてた道具(丸太、コンクリなど)も比較し、最も研ぎやすい方法を提案します。

[仮説]爪がよくとげそうな「コンクリート」が猫も快適で積極的につかうのではないか。

[実験]同じ大きさのコンクリート、木の板、木の板に麻の紐を巻いたものを準備し、マタタビを同じ量をまく。1回ずつ爪研ぎを手を使ってやり方を伝えた上で、1m離れたところから猫をはなして、どれを使うかを観察する。1週間観察して一番よく使うものあきらかにする。同時に、それぞれの使う様子を観察して、なぜ使うのかを考える。

工作してみよう
ダンゴムシが攻略できる迷路をつくりだせ

[テーマ]
ダンゴムシには、右に行ったら次は左に曲がるなど、交互に動く「交換性転向反応」という性質があります。その性質がどれほどの確率で行われるかを調べると同時に、そのような性質を利用してどのような迷路を作ったらクリアできるかを考えます。

[仮説]
ダンゴムシのすきな餌である落ち葉があると、左右に交互に行くのではなく、餌の方に向かっていくのではないか。

[実験]
100円ショップなどでスチロールの板を購入し、2cmくの高さの壁を作り、ジグザク進むような迷路をつくる。その上で、通常歩かせると右、左、右、左に動く様子を観察する。その後、同じルートの途中に通常右にいく曲がり角の反対側に落ち葉を置くことで、落ち葉の方に向かうかどうかを観察する。

なぜその場所に生えるのか?
自分の近所の植物探偵団になろう

[テーマ]
身の回りにある植物や雑草について、いきものAI図鑑(バイオーム社)などを使って名前や特徴を写真に撮って調べ、公園や、道路脇、空き地などを調べます。その中で、1つ気に入った植物を選び、なぜそのような場所にいるのかを推理して考えてみます。

[仮説]
帰化植物のなかでよく見かけるヒメジョオンは、飛び地にはあまりなく、いる場所いない場所が明確に分かれるのではないか。

[実験]
GoogleMapなどで自分の家の周りの地図を表示してA3に印刷します(コンビニ等で簡単に印刷が叶)。「生き物AI図鑑」で、写真を撮ってどのような名前の植物かを調べます。その後、1つの植物(例えば、ヒメジョオンのような帰化植物)を選び、半径500m以内でどこに分布するか調査し、シールなどで地図にマッピングします。その上で、植物がそこで育った理由などを考えます。

手作り装置で小さな生き物を集めよう?
土の中の生き物とご対面

[テーマ]
私たちの生態系を支えていると言われている土の中にはどんな生き物がいるのか。花壇、畑、公園などの土を、ツルグレン装置(ライトを当てて土の中の生き物を追い出す装置)を作って、調査してみよう。そこから生き物の豊かさを発見します。

[仮説]
公園の木下の土、畑の土、家のプランターの土の生物観察をすると畑の土が最も多くの生き物が観察できるのではないか。

[実験]
それぞれの場所から、土をビニール袋にいれて持ち帰り、同じ量の土をツルグレン装置を組み立てて(NHK forSchool参照)、1時間ライトで光をあてて生き物を採集します。その後、どんな土壌生物がいるかをルーペなどで観察して、どんな生き物が何匹観察できたか調べます。比較方法など詳細は、岩手県教育総合センターの授業案 『だれでもできるやさしい土壌動物のしらべかた―採集・標本・分類の基礎知識等(青木 淳一著)』を参照ください。

 

ケミストリー

光らせることもできる!
映えるカラースイーツをつくってみよう

[テーマ]
天然の材料で青色色素であるフィコシアニンを使って、きれいなゼリー作りに挑戦しよう。レモンなどを入れることによって色が変わったり、UVライトを当てて、光らせたり、他の色素と組み合わせてカラフルにしたりして”映える”スイーツの開発します。

[仮説]フィコシアニンの青は柑橘類の種類によって色を変えられるので、カラフルなゼリーがつくれるのではないか。

[実験]藻類のスピルリナからの抽出物であるフィコシアニンの粉を水にとかし、さまざまな柑橘ジュースや、クエン酸などを加える。これらは酸性の性質があるので、ジュースの色と混ざって青から色が変化する。参考になるデータはこちら。 フィコシアニンについては、フィコラボのサイトで詳しく紹介されている。

工作してみよう
食べ合わせの黄金比を見つけ出せ!

[テーマ]
きゅうりにはちみつをかけたらメロンの味がするように、食べ合わせいよって違う味を感じる場合があります。なぜその味になるかの成分を調べてみると同時に、少しずつ比率を変え、友達にもためしてもらい最も美味しい比率を探します。

[仮説]
きゅうり半分サイズにはこさじ1(7g程度)のはちみつをかけると最もメロンに感じるのではないか。

[実験]
ほぼ同じサイズのきゅうりを縦横半分に切ったものを4つ用意して、きゅうりだけ、1滴(1g)、こさじ1、小さじ2、小さじ3とハチミツの量を変更して、メロンに感じる度合いを1−5段階で評価してもらう。10人ほどで調べてみて、いちばんメロンらしく感じる量を確定させる。

袋と水と◯◯でできる!
氷をつかわずひえひえボールをつくろう

[テーマ]
夏やの熱中症対策や、捻挫などの時に使う保冷剤はなんで叩くと冷たくなるのか?実は薬局で売っている尿素の吸熱反応を使っています。二重の袋で水と尿素を分けると自作保冷剤ができます。水の量や材料を工夫して最強のひえひえボールを作ってみよう。

[仮説]
尿素を多くすることで、冷たい時間を長持ちさせることができるのではないか。

[実験]
保冷剤は、尿素20gと水20cc(20g)を傘袋やスーパーの薄手の袋にいれて縛ったものをいれてつくることができる。その上で、力強く袋をたたくと、中の袋が割れて水と尿素が混ざって、吸熱反応(熱を吸って冷たくなる)がおきます。そこで、尿素に対して水の量を変更(例えば、10cc 15cc 20cc 25cc 30cc )することで、冷たい状態がどれくらい長持ちするかを、温度計をさして時間変化をみて比較する。

参考:川崎市環境総合研究所のワークショップ

水や氷がないのに
なんで涼しくなる服があるのか?

[テーマ]
近年、機能性の衣類がふえていて、夏場も冷たく感じる肌着やシーツが売られています。どんなしくみで冷たく感じさせているのかを調べると同時に、それぞれのメーカーの特徴を比べてみましょう。そして、自分が好きな肌触りのものがなぜ好きなのかも考えてみよう。

[仮説]
各メーカーの接触冷感を感じさせる製品は同じ素材をつかっているのではないか?

[実験]
「接触冷感」は、それ自体が冷たいのではなく、人の肌がふれたときに「肌から物体に熱が移動する量」の違いでかんじることができる。各メーカーで「接触冷感」等の布団や肌着などを調べて、どのような素材でできているか調査する。また、素材だけでなく編み方なども工夫している場合もあるので、Webページで調べる。その上で、手芸ショップなどでいくつかの素材の布を購入して比較してみる。

 

人体

人間の目って不思議
オリジナル「錯視」を作り出してみよう

[テーマ]
人間の目は、2つの目のずれで立体にみたり、色の違いで区別したりしています。ぎゃくに、その仕組みを利用すると、実際は同じだけど長さが違ってみるような「錯視」が起こります。いろいろな錯視を調べて、自分でオリジナルのものをつくってお友達を驚かせよう。

[仮説]
明るさによる錯視ハーマン格子(NTTの錯視ページ参照)をもちいて、隙間の幅を四角の長さの半分以上になると、錯視がみえなくなるのではないか。

[実験]
パワーポイントやペイントソフトなどをつかって、正方形の黒い四角を配置します。4cm四方の四角に対して隙間を1cm、2cm、3cm、4cmと変更したものをつくり、自分や家族とどこまで隙間をあけると、四隅の黒の丸がみえなくなるかを調べる。ハーマン格子以外にも、さまざまな錯視があるので、Webページなどでしらべてオリジナルの錯視をつくって楽しんでみよう。

ゲーム名人の技を研究
どうやったら、疲れず連打ができるのか

[テーマ]
ゲームをするときに、点数をたくさんとるために同じボタンを連打することがあります。いかに早く疲れず連打ができるのか。上手な人をスマホのカメラで撮って分析したり、自分で装置をつくってみたりして最強の連打方法を編み出しましょう。

[仮説]
連打が上手な人の動きから、手首や指の動きをまねたら連打が上手くなるのではないか

[実験]
連打が上手なお友達や、大人の方をさがして、連打している様子をいくつかの角度からスマートフォンのスロー機能をつかって撮影をします。観察しながら、手首や指などどこでうごかしているかを調べます。その上で、最初に自分で独自で行った時と、動きを工夫してやってみたときに1分間の連打の数を比較して、連打が向上するかを検証する。

一人一人が違う部分ってどこ?
指紋以外のセンキュリ部位を考える

[テーマ]
セキュリティーを守るために、最近指紋認証や瞳孔認証など個人の体を使った方法が宙もk巣荒れています。いままで使われている認証方法以外で、人ごとに違うところを調べてみて、新しい認証方法を編み出してみよう。

[仮説]
指や手相以外で、人による違いがある部位(例えば、耳の形?)で、人の違いを明確に示すことができるのではないか。

[実験]
指紋や、手相、目の違いがどのように認証として使われているかを調査する。その上で、違いがわかりやすい部位を決め、その部位の写真を100枚ほど撮影し、どのような比較ができるかを考える。その上で、その人の特徴として使えるかどうかを、検証する。

秒の感覚を研ぎすまそう!
時間を正確に計る方法は?

[テーマ]
時計を見ずに、10秒をいかに正確に測ることができるのか。言葉で数える、手足を使う、歌を歌うなど人間が正確に時を刻む方法を検証し、最適な測定方法を提案します。

[仮説]
10秒でちょうど終わる言葉をつくることで、正確な10秒を測れるではないか?

[実験]
まずは、頭の中で10を数えて10秒からどれくらい離れてしまうのかを10回測定して平均をだす。その上で、10秒でちょうど終わる言葉を決めて、それを頭で話すことでピッタリになるかどうかを10回測定して平均をだす。いくつかの言葉を選んで、一番正確に測定できる言葉を見つけ出す。

 

スポーツ

撮影して分析しよう
よく飛ぶボールの蹴り方とは?

[テーマ]
サッカーをしているとき、同じボールなのに蹴り方によって全然飛距離が違います。そこで、スマートフォンなどで蹴り方を撮影して、どうやったら遠く飛ぶのかを観察し、予想をした上で、実際に工夫をすることによる飛距離の違いなどを比較します。

[仮説]
ボールを遠くに飛ばすためには軸足と蹴る足の動きに法則がある。

[実験]
上手にボールを蹴ることができる人に、公園などでボールを遠くに飛ばしてもらう様子を、横と後ろからスローカメラで撮影する。その結果から、足の位置や蹴り方などの法則を見つけ出す。その上で、自分でも同じ動きを工夫することでボールがより遠くに飛ぶのかを調べてみる。

足と腰の角度を分析
スライディングの一番良い角度は?

[テーマ]
野球でスライディングすることで、より早く前に進むことができます。スライディングの上手な入り方の角度はどれくらいなのか、踏み込む角度と飛距離を比べてみて最適な方法を検証します。

[仮説]
30度で足を踏み込むと一番長い距離スライディングができるのではないか。

[実験]
野球番組の動画などをみて、プレ選手がどのような角度でスライディングをしているかを観察して、最適な角度を予想する。その上で、スライディングができる野球選手に協力してもらい,60度、45度、30度と足を踏み込む角度をかえるとどのような動きになるかを調査する。

ウレタンを切って作ってみよう
ビート板革命!早く感じて楽しいビート板を作り出せ!

[テーマ]
最近の水着は表面の抵抗を減らしてスピードを上げるなどの工夫がされています。水泳の練習で使われているビート板に革命を起こすべく、これまでにない、速く泳げてかっこいいビート板を、ウレタンの板を切って改良を加え作ります。

[仮説]
流線型のビート板を作ることで進むスピードが上がってより楽しく泳げるのではないか。

[実験]
ビート版を浮かばせる目的だけでなく、スピード感もって泳ぐ1つのあたらしい道具とすべく、ビート板の形を色々と変えて水の抵抗などをしらべる。人が泳いでも良いが、船の模型などをつかって、一定の速さで動くものを使って比較すると、より正確な検討ができる。

どの筋肉を鍛えるかから考えよう
新しいオリジナル体操を作ろう

[テーマ]
ラジオ体操をはじめ、体を動かす体操がさまざまあります。体操の種類によって体のどの部分の筋肉を伸ばしたり動かしたりしているかを調べて、自分のやっているスポーツに最も適した体操を科学的な視点で作ります。

[仮説]
ジャンプ力があがる体操を作ることができるのではないか?

[実験]
ジャンプするために必要な筋肉とトレーニング方法を最初に調査する。その上で、必要な筋肉を鍛えるために必要な条件を入れた体操を自分でつくる。その上で、自分も含めて事前に垂直跳びをの高さを測り、1ヶ月間の変化をみながらジャンプ力を向上させるためのよりよい体操を開発する。

 

アートやファッション

抽象画を見比べてみよう
ピカソの絵はなぜすごい?

[テーマ]
小学生にとって、ピカソなどの抽象画でなぜ評価されているのか、理解できない絵がいくつもあるでしょう。そこで、なぜこのような絵画に価値があるのか、絵のうまさだけでない理由を調べ、分類分けしてみます。

[仮説]
ピカソなどの抽象画が認められるには、絵の手法に法則があるのではないか。

[実験]
抽象画として有名な作家をしらべて、年代、作家の正確、特徴、何を描いているか、評価したり支援している人を調査して、分類分けをしてみる。その上で、作家が有名になった理由や、なぜそうなのかを美術館の方にヒアリングもして分析する。

なぜ固まるのかな?
レジンでかわいいアクセサリーを作ろう

[テーマ]
100 円ショップなどにもおいてある、紫外線を当てると固まる「UVレジン」。これを使って、レジンの量や、光の距離や色、中に入れるものによって固まりやすさがどれくらい違うのかなど、レジンと光を探究したうえで、すてきなアクセサリーを作ります。

[仮説]
レジンをより早く固まりやすくするためには熱風を送るとよいのではないか。

[実験]
まず、1つサンプルをつくってレジンが完全に固まるための時間を測定します。その上で、同じ条件で作る上で1つだけ、ドライヤーの風を一定時間あてる(冷風と温風)ことで、その後の固まる時間がかわるのか調べてみる。それ以外にも、より早く固まる条件を、レジンが固まる原理を調べた上で仮説を立てて実験をしてみる。

どんな素材を着るといい?
臭いがうつらないキャンプ用の服を考えよう

[テーマ]
キャンプやバーベキューをすると臭いがうつって煙臭くなります。その原因を見つけ出し、臭いが全く残らない服が作れるか、または臭いがつかない工夫ができないかを考え、検証します。

[仮説]
表面がすべすべの素材をつかったら、臭いが残りにくいのではないか。

[実験]
コットン、麻、ポリエステルなど、いくつかの種類の布を手に入れ、同じ大きさに切り取った上で、一定時間炭火の煙にあてて、臭いをつける。その後、どれくらいの時間で匂いが消えるかを1時間ごとに匂うことで、5段階評価して比較。その上で1つの素材を選び、匂いを消す方法を試してみる(太陽に当てる、風呂場で湿度をあげて干す、臭い消しをスプレーする)。

キャラクターにも使われている
パステルカラーはなぜ可愛く感じるのか?

[テーマ]
パステルカラーは、かわいらしいものによく使われている色です。パステルカラーはなぜかわいく感じるのか。同じものをパステルカラーとそうでない原色にしたときの印象はどう違うのかなど、多くの人に質問したり、物を比較したりして法則を見つけ出します。

[仮説]
原色にくらべてパステルカラーにするだけで全てのものに「可愛らしさ」を感じるのではないか。

[実験]
原色から4段階くらい色に変えた色(パステルカラー色見本)をつかって、同じ猫の服だけを色をかえることで
どれが一番可愛く感じるか調べる。また、かわいい生き物ではないものにパステルカラーをいれることで可愛くなるか比較してみて、パステルカラーによる印象の違いを調べてみる。

参考:かわいい人工物の系統研究(2007.大倉ら)

 

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