【実施レポート】9月27日(日)野菜が持つ色々な栄養!
こんにちは。アグリサイエンスラボの南場(ばんばん)です。
9月27日のアグリサイエンスラボでは、キッチン実習を行いました。
テーマは「野菜が持つ色々な栄養素」。ビタミンのお話です。
これまでに、
6月の「ジャガイモから学ぶ消化吸収」ではデンプン(炭水化物)について。
7月の「卵から学ぶ熱変性」ではタンパク質について。
8月の「マヨネーズから学ぶ乳化」では脂質について学んできました。
そう5大栄養素もあと2つ、今回はビタミンについて学びます。
【野菜が持つ色々な栄養素】
<ビタミンCが多い生野菜はどれかな?>
ところで皆さん、ビタミンって何種類あるか知っていますか? ビタミンは全部で13 種類もあるんです。その中でも一番知られているのがビタミンC。今回はビタミンCに注目して、どの野菜にどのくらいビタミンCが含まれているのかを調べます!
今回用意したのはトマト、ジャガイモ、大根、キャベツ、枝豆、キウィフルーツ、レモン。これらを細かくすりつぶし、茶こしでろ過を行い、抽出液の上澄みを使用します。
ちょっとずつ水を加えながらすりつぶします
ビタミンCを検出するパックテストを使用して、ビタミンCが含まれている量を調べます。そして多い順に並べてみます。
どちらの色が濃いかな〜
そして答え合わせ。
野菜自体の色も入るので、厳密な判断は難しいですが、どうだったでしょうか?
<調理によってビタミンCの量はどう変化するかな?>
さて生の野菜のビタミンCの含有量がわかったところで、調理によってその量はどう変化するのでしょうか?
「生のじゃがいも」「焼いたじゃがいも」「茹でたじゃがいも」「じゃがいもを茹でたお湯」のビタミンCの量も測ってみました!
「あ!茹でたお湯にもビタミンCがある!」
そう、ビタミンCは水に溶けやすい「水溶性(すいようせい)」ビタミンの一種。だから茹でたお湯にも栄養素は溶けているんだね。
【稲刈り事後学習】
5月に田植えをしてから約4ヶ月。前回は稲刈りに挑戦してきました!
・5月の田植えの詳細を知りたい方はコチラへ
・9月の稲刈りの詳細を知りたい方はコチラへ
今回の稲刈りでは、「1本植え」「3本植え」「10本植え」のそれぞれの稲を3つずつ収穫してきました。 当日は「草丈」「稲の茎の数(分げつ数)」を数えましたが、さすがに全ては数えきれなかったので、ハカセ達がラボでお米の数以外を数えておきました。 そして当日、子ども達と一緒にお米の粒の数を数えます。
集中力は大人より上・・・!
みんなで頑張って計測した結果、「草丈」「稲の茎の数(分げつ数)」「お米の粒数」のデータを取ることができました!
【結果】
その結果がこちらです。ちょっと難しいけれどがんばりましょう!
[稲の茎の数]
植え方 | 1本植え | 3本植え | 10本植え | ||||||
データ | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 |
分枝数 | 8本 | 8本 | 12本 | 14本 | 22本 | 22本 | 14本 | 20本 | 29本 |
合計数 | 28本 | 58本 | 63本 | ||||||
1本から増えた本数 | 元々は合計3本の苗から28本だから・・・
28÷3=9.3本 |
元々は合計9本の苗から58本だから・・・
58÷9=6.4本 |
元々は合計30本の苗から63本だから・・・
63÷30=2.1本 |
1本植えで生育した方が、茎の数は増えやすいことがわかりました!
[草丈]
では「草丈」はどうでしょう? 草丈のデータは、人によって刈り取る位置が変わってしまうとデータにできないので、みやっちハカセが刈り取ったものを使います。
植え方 | 1本植え | 3本植え | 10本植え |
平均値 | 87.5cm | 85.0cm | 76.3cm |
1本植えで生育した方が、草丈も伸びやすいことがわかりました!
[お米の粒数]
植え方 | 1本植え | 3本植え | 10本植え | ||||||
データ | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 |
粒数 | 784 | 761 | 1241 | 1053 | 1732 | 1881 | 2298 | 1829 | 2532 |
合計数 | 2786粒 | 4666粒 | 6659粒 | ||||||
1本から取れた粒数 | 元々は合計3本の苗から2786粒だから・・・
2786÷3=928.7粒 |
元々は合計9本の苗から4666粒だから・・・
4666÷9=518.4粒 |
元々は合計30本の苗から6659粒だから・・・
6659÷30=222.0粒 |
ここでも1本植えの方が、お米の粒数が多い結果になりました!
【結果から考えよう(考察)】
さて今回は、「何本植えにしたら、一番多くお米を取れるでしょう?」というテーマの元に実験を行ってきました。 今回の結果からは、「1本植え」が稲の成長(草丈)、本数(分枝数)、お米の粒数が一番多いという結果になりました。
この結果について、栽培ハカセの「みやっち」に聞いてみました!
(ばんばん)1本植えが一番成長したのはなぜだろう?
(みやっち)ばんばん。1本植えが一番成長するのは当たり前なんだ。同じ面積に1本が植えてあるのと、10本が植えてあるのだと、栄養素の行き渡り方が違うでしょ?こういうのを難しい言葉で「競合相手がいない」って言うよ。
同じ面積ということは含まれる栄養素の量も一緒。だったら1本植えの方が栄養をひとり占めできるね。
(ばんばん)ならば1本植えが一番お米がとれるのかな?
(みやっち)農家の人は「1本あたりの収穫量」ではなく、「一つの田んぼでの収穫量」を見るよね。今回の実験では、全て同じ間隔で稲を植えているんだ。そうすると10本植えの方が1本植えより「一つの田んぼでの収穫量」は多くなるんだよ!
(ばんばん)だとするとなぜ農家の人は「3本植え」なんでしょう?
(みやっち)さっきの成長にも関わるのだけど、「10本植え」は明らかに稲の成長が悪いよね?今回は全ての稲が成長して収穫できたけど、もし途中で何かあったら・・・。ある程度成長し、茎もしっかりしていないと倒れたりするよね。農家さんはそのバランスをみて「3本植え」にしているそうだよ
このように、収穫量と成長度合いのバランスをとり、農家さんが過去の経験を積み重ねることによって「3本植え」が一番いい植え方になったんだね。
さて、たっぷり頭を使ったあとはお待ちかねの食事タイム。 野菜をたっぷり使ったスープを食べて、今回の講義は終わりになりました。
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