ホーム お知らせ 【実施レポート】育てて収穫した新米を土鍋で炊きました!(アグリサイエンスラボ)

【実施レポート】育てて収穫した新米を土鍋で炊きました!(アグリサイエンスラボ)

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こんにちは、アグリサイエンスラボの鈴木るみです。藻類(ちっちゃな藻)の研究者として、この秋リバネスに仲間入りしました。これからどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2015年10月31日(土)、アグリサイエンスラボでは後期の初回講座「新米を炊こう」を開催しました。これまで生命科学《生きもののいのちのふしぎ》、栄養学《からだを作りうごかすふしぎ》を中心にキッチンでの実験・調理を続けてきましたが、10月からは食品工学《食べものをおいしく安全に食べる工夫》に焦点を当てていきます。5月9日に田植えをし、9月19日に稲刈りをしましたが、ついにできあがった新米を実験と調理に使うときがやってきました。

 

今回は特別に、普段ロボ研(ロボティクスラボ)の所長をしているダイゴ(藤田大悟)先生に、講師として来てもらいました。ダイゴ先生は全国でサイエンスキャンプを何度も開催していて、飯盒炊さんやキャンプファイヤーなど、自然のなかで食べる・生活するための根本的な科学技術にとても詳しい先生です。

 

さて、日本人の主食であるお米ですが、その「炊き方」にはサイエンスが詰まっています。お米はそのままかじることもできますが、固くて、栄養素を吸収することが難しいですね。美味しくより効率よく食べられるようにするには、「お米の1,2,3」、つまり、(1)ひたす(2)にる(3)むすの3段階が必要です。この3段階は普段は炊飯器がやっていること。実際にこの過程を体験することで、お米がどうやって食べられるようになるかを肌感覚でわかるようになります。

今回は、実験で(1)〜(3)それぞれについて学びました。

 

(1)ひたす

精米したお米は固く、食べられる状態にはなっていません。そこで、第一歩として、水に浸します。まずは、どのくらい水を吸収するのかを実験しました。お米を水に浸して0,3,6,10,15分経過したら、水を除いてお米の重さを量ります。少しずつ重くなりましたが、10分と15分ではあまり差がなくなりました。結果としては、お米は自分の重さの1.2倍ほどを吸収できるとわかりました。子どもたちは初めて、グラフの作成にも挑戦しました。

(2)にる

水に浸したお米は浸す前と比べると柔らかくなりましたが、まだ美味しい状態にはなっていません。お米の大半はデンプンという炭水化物が複雑にからみあってでできています。十分な水を含ませると、デンプンの隙間に水が入り、より柔らかくなる準備ができます。さらに、お米を煮ることで、水とデンプンが作用し合って(糊化=こか)食べられるようになります。

ここでの実験は、デンプンのかたまりである片栗粉を用いて、糊化は80℃以上のお湯でないと起こらないことを確認しました。

(3)むす

 おいしくお米を炊くには、(1)ひたす(2)にるの後に「むす」段階が必要です。実際にお米を炊くことを通して、「お米の1,2,3」を完了します。蒸すことで余分な水分を除き、べたべたするのを防ぐことができます。十分に水に浸したお米を土鍋に入れて、コンロにかけます。次第にぐつぐつし始め、湯気が出てくると、お米が炊けるいいにおいが!ここで気を抜いてはいけません。ぐつぐつがおさまるタイミングを見計らって火を止め、蒸らします。そのタイミングは、はしを用いて調べることができます。はしで土鍋に触れていると、ぐつぐつがおさまる瞬間が感じ取れるのです。

土鍋で炊き上がった瞬間、歓声があがりました!
土鍋で炊き上がった瞬間、歓声があがりました!

実際、炊飯器で炊くのに比べて目が離せないですが、土鍋であっという間にご飯を炊くことができました!これまでの田植え稲刈りの苦労を思い出し、そしてイネという植物の命や、夏のあいだ育ててくださった農家さんへの感謝の気持ちを込めて、みんなで美味しくいただきました。
「いただきます!」

講座の最後には、ダイゴ先生より、新米を手渡ししました。おうちで大切に食べてくださいね。

なお、いつも実験のあとに食べているお食事ですが、3月の最終発表会に向けて、少しずつ食べもののバランスについても意識し始めました。今回は豆腐とアオサのお味噌汁と、リバネスのブランド豚「福幸豚」の生姜焼きも一緒に食べました。次回は大豆の収穫、1月には味噌仕込みをします。また、2月にはこの福幸豚を使ったソーセージ作りもあるので、学びが少しずつつながっていくのが楽しみです。

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今後ともアグリサイエンスラボの応援をよろしくお願いいたします。

Ms. Nami Akinaga has graduated from The University of Tokyo with a Master degree in Sustainability Science. Her mission is “Maximising the Value of Diversity” . In Leave a Nest, she creates new platforms for the next generation leaders to generate knowledge beyond research field, country and cultural borders. Recently she commits to bridging corporates and startups over Japan and Southeast Asia countries to connect local platform for further business devleopment.